10歳差というのは、結構大きい差だと思う。


ルルーシュは自分の恋人である男を見つめながら、ふとそんな事を考えていた。

今、自分の隣に座りながら本を読んでいるシュナイゼルと出会ったのは、ルルーシュが14歳の頃だった。
まだ中学生だったルルーシュが父親の会社のパーティーへと出向いた時、一緒に来ていた従姉のコーネリアから『一緒の大学だったんだ』と紹介されたのがたまたまパーティーに来ていたシュナイゼルだった。


『その時一目惚れしたんだよ』と言われたのはいつだったか。


よくよく考えてみれば、10歳も年下の少女を好きになるなんてことは『ロリコン』と言われかねないし、シュナイゼルは当時からその優秀さで周りから将来を有望視されていたのだ。
そんな人から『結婚を前提に付き合ってほしい』と言われても、まだ15歳だったルルーシュにはあまりにも重く受け入れがたいものだった。
それでもそんなルルーシュの様子にもめげずに、時間のある時(正確に言うなら無理やり時間を作って)には必ず会いに来たり、ルルーシュの興味のある本や話を持って来たり勿論誕生日などの贈り物も欠かさないシュナイゼルにルルーシュが折れたのは、ルルーシュが16歳の時だった。

そんなこんなで恋人同士になったのだが、やはり10歳という年の差はいろいろとあるものだった。


主に、ルルーシュのほうにだが。


年の差ゆえの戸惑いや困惑などといったものはルルーシュばかりが感じることの方が多い気がしてならない。
やはり年下だからなのだろうか?


「どうしたんだい、ルル?」


いきなり掛けられた声にルルーシュはハッと我に帰って隣へと顔を向けると、すぐ近くにシュナイゼルの顔があって驚いてしまった。
そんなルルーシュの様子にシュナイゼルは可笑しそうに笑うとルルーシュの頬へとキスを落とした。
すぐさま顔を真っ赤にすると、それを見たシュナイゼルは顔の頬笑みをさらに柔らかなものへと変え今度は唇へとキスを落とされた。
そのせいで、もっと顔を赤くする。

そうだ。 いつもそうなのだ。
いつも翻弄されるのは自分のほうなのだ。

だから言わない。
絶対に言わない。
悔しいから、絶対言ってなんかやらない。

あの時、
出会った時、
向こうから歩いてくるあなたに既に魅かれていたなんて、
自分の方が先に一目ぼれしていたなんて、


絶対、言ってなんかなんかやるものか。



あなたの側は、いつだって、『未経験区域』











あなたいつも私の前を行く。
悔しいから、この秘密は一生『秘密』

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